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藤枝商店 藤枝喜市氏 (大阪中央ブロック・中央北支部)

お客様に“かわいい”といってもらえる商品づくり 〜手づくりの強みがオリジナルで生きる

ミシンと発想と経験を駆使して

   東淀川区淡路にある工房で、製品と材料に囲まれながら藤枝さんはミシンを動かしていました。昨年までは吹田市に所在していたのですが、駅から遠く同友会に行くのも不便(!)ということで駅前の地に移ってこられました。
 藤枝さんがつくるのはファッションバッグ、ポーチなど。おしゃれな眼鏡ケースや印鑑入れもありました。企画・製造・販売を一体でこなすスーパー職人、兼経営者です。業界歴はかれこれ33年。ハンドバッグの製造会社勤めをふり出しに、袋物製造会社に誘われて移り、12年前に独立されました。

   同業者の多くは内職を活用した製造方式をおこなっていますが、そこに中国製品との競合による値下げ競争が発生します。業界の衰退は、安易な海外製品で目先の利を追った結果だと藤枝氏は指摘します。よかった時代に、事業を後世に継承していく対策が必要だったのです。経営指針・経営計画の考え方が業界になかったことが、今日の苦境につながっているのではないでしょうか。
 藤枝商店では中国でできないものを主体にしてきました。手づくりの強みを生かして数々のオリジナル製品をうみ出してきました。販路は問屋さんを経由して小売店で扱われる他、同友会会員の仲間とのコラボレーションや、一部ですがネット販売も開始しました。直接エンドユーザーに結びついていこうとする試みです。

「他がつくらないものをウチがつくる」

   用途によって、お客様の必要とされるものをつくることができるのが同社の強みです。オリジナルの「タモ(釣具)入れ」は、軽くて丈夫な生地とタモの大きさに合わせた寸法で専用のものがつくれます。藤枝さん自身が釣り好きなので、ユーザーに気持ちを知りつくしています。

   ちょうど取材にうかがった時にとりかかっていたのは、和風の柄の生地をつかった財布や、パスケースなどの小物類でした。シェニール織(特殊な織のタオル地)をワンポイントで使用したファッションバッグも、他にはないオリジナル品です。新体操で使う「リング」(競技で使用する輪)を入れるケースは、メーカーさんがつくってくれないということで、依頼がありつくり出しました。これだけの多様なものをつくるのに、使う機械はほとんどミシン一台のみ。発想と経験で支えられた世界です。

   自分自身が楽しみながらものづくりをし、お客様に喜んでもらえることが原点。特に女性のお客様に「かわいい」と直感的にいってもらえることが一番です。女性のいう「かわいい」のニュアンスの中には、おしゃれである、いい製品である、といった商品購入につながる感性が含まれているからです。
 最後に、読者のみなさまへのアドバイス。袋物のファスナーに「尻止め」があることが、良い商品の見分け方だそうです。

 

 

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